包除原理
目標
ある複数の集合における和集合の要素の個数を共通部分に配慮して正しく計算する。
説明
以下、有限集合は全て全体集合の中に真に含まれているもの、はの濃度(元の個数)とします。
2つの集合について
集合について、「または()」であるものの集合の元の個数を求めてみましょう。
は、以下の図の赤い部分です。
まずは、「または」ということで単純に「の元の個数との元の個数の和」を見てみます(見やすさのために色を変えています)。
この図を見ると、以下の式が成り立っていることが分かりますね。
よって、以上の式を変形することで次のようにの元の個数を求めることが出来ました。
3つの集合について
次は、集合について、「の元の個数」を求めてみましょう。
2つの集合のときと同様に、を見てみます。
ここで、「でありであるがではない」などの集合が最後に出てきていますが、こういった「○○でない」という集合(補集合と言います)は少し扱いにくいため、次のようなことをします。
こうすることで、補集合を用いずに以下の式が成り立つことが分かります。
よって、以上の式を変形することで次のようにを求めることが出来ました。
具体例
あとがき
今回は、図で説明したほうがわかりやすいと思ったので、図を多めにしてみました。
なお、上記ではである場合については触れていませんが、同様に計算することが出来ます。
あらゆる場面において同じ式が適応出来るので、ひとたび上記の式を覚えることでどんな集合の個数に関する計算でも出来てしまいますね。
ちなみに、つ以上の集合に関するベン図を書こうとしたとき、全て真円で書くことが出来ないことが証明されているらしいです。
別の方法として、4つの楕円を重ねる方法や、3つの真円に1つの湾曲した楕円を上手く重ねる方法などがあるらしいですが、実用的ではないようです。