sataniC++

C++、競プロ、数学などについて色々考えたりします。

競技プログラミングを始めて1年が経ちました

2015/11/22に競技プログラミングを始めてから丁度1年が経ったので、競技プログラミングをやるにあたって、何をしていたか等を記事としてまとめておきます。
(ためになる話は多分そこまでないです)


この記事の流れ

この記事は次のような構成になっております。

  • 始まり
  • 競プロを始めて変わったこと
  • この一年での競プロにおける変化
  • (以下「続きを読む」部分、競プロでの様々なこと)
  • 言語
  • 競プロ環境
  • 練習・勉強方法
  • 成績
  • 最後に

始まり

twitter.com
私が"競技プログラミング"というものに触れたのはyukicoderが一番最初でした。
何故yukicoderかはわかりませんが、yukicoder の"ゆるふわ"推しにつられたのでしょう(?)。
このときは、AtCoderTopCoderICPCなどは全く知りませんでした。


競プロを始めて変わったこと

twitter.com
簡単に言うと、競プロ依存になりました

競プロは、何かキッカケをもって始めた訳ではないため、
「まぁコーディングの練習として適当にやってみよう」
位の感じでした。


しかし、問題を解き、コンテストにも参加するようになると、だんだん次のようなところに惹かれていきました。

  • 問題を見たときに、「どのアルゴリズムを使うのがいいか?」と考えるのが楽しい
  • 実生活でありうるような、複雑な要素が絡み合う問題をプログラムに解かせることが出来るのが面白い
  • 単純に問題を解くのが楽しい
  • Twitterを通して他の人と競プロの話題で盛り上がることが出来るのが楽しい

などなどです。

こうして、競プロを主軸とした生活が始まるのでした…。



twitter.com
また、Twitterの利用法も大きく変わりました。
このツイートは競プロを始めて1週間くらいの時のものですが、当時まだフォロー/フォロワー数が100人前後しかいませんでした。
f:id:satanic0258:20161123215514p:plain
(競プロを始める前は何故かこんなアイコンだったんですが、覚えている人はいるんでしょうか)



twitter.com
f:id:satanic0258:20161123220040p:plain
ところが、競プロを始めて、競プロ/プログラミングをやっている人をフォローしていたら、気づくとフォロー/フォロワー数が400人前後まで増えていました。

Twitterで話す内容も、半分以上が競プロの内容ばかりとなっています。



twitter.com
また、いつの間にかプログラム実装力がついていました。

プログラミングのコンテストでは、問題を見てからそれをすぐにコードに起こすことが重要となってきます。
そのため、コンテストで経験を積んでいった結果、競技とは関係のないところで簡単なプログラムを作成する際に、素早く目標のプログラムを作成することが出来るようになっていました。
(このおかげで試験も難なくこなせたので、まさに競プロありがとう、と言った感じでした)


この一年での競プロにおける変化

ここでは、各コンテストサイトでのレートの変遷を見ていきます。

AtCoder

f:id:satanic0258:20161123225317p:plain
AtCoderのページが新しくなってからのレートはこのようになっています。
未だ何とか単調増加を続けてはいますが、正直結構厳しいですね…。
なるべく増加を続けられるように頑張りたいと思います。


Codeforces

f:id:satanic0258:20161123225558p:plain
Codeforcesのレートはこのようになっています。
正直こどふぉは問題文がの読解が難しい回が何回かあり、それ故のミスもよくしています…。
(最近Google翻訳の性能が向上したこともあってか、レートも少し上がっています)

また、こどふぉではちゃんとコーナーケースを処理しなければ落ちてしまうことも多々あるため、うっかりそれを忘れてレートが下がったりもしています。
素早く、かつ正しく問題を理解することが大切ですね…。


TopCoder SRM

f:id:satanic0258:20161123230126p:plain
SRMのレートはこのようになっています。
SRMは結構レート変動が激しく、参加した回の半分も色が変わってしまっています(苦笑)。

一応青から黄色になったりしてはいますが、まだdiv1の問題を時間内に解いたことがないため、それが今後の課題となっています。
何とか競プロ2周年までには、div1easyを安定して解けるようになりたいですね。


  • (以下「続きを読む」部分、競プロでの様々なこと)

この先は、過去1年分のツイートを適当に抜粋して、あったことなどのコメントを加えただけのものなので、時間に余裕のあるときどうぞ。

(Twitterのツイートを大量に貼り付けているため、記事のロードに時間がかかる可能性があります)

続きを読む

yukicoder No.409 ダイエット

問題

問題のURLはこちらです。
No.409 ダイエット - yukicoder

考えたこと

動的計画法を使います。

配列DPを次のように定義します。
DP[i] = i日目にドーナツを食べた時の体重の変化量の最小値

すると、その時の漸化式は、
\displaystyle \begin{eqnarray}
DP[0] &=& 0 \\
DP[i] &=& min_{0\leq t\leq i-1}\left(DP[t] -A(i-t-1)+\cfrac{(i-t-1)(i-t)}{2}B + D[i]\right) \\
&=& min_{0\leq t\leq i-1}\left(DP[t] + tA + \cfrac{-2it+t^2+t}{2}B\right) -A(i-1) + \cfrac{i^2-i}{2}B + D[i] \\
&=& min_{0\leq t\leq i-1}\left(DP[t] + tA + \cfrac{t^2+t}{2}B -itB \right) -A(i-1) + \cfrac{i^2-i}{2}B + D[i] \\
\end{eqnarray}

なお、最初の行を簡単に説明すると、
DP[i]
 = min\left(\right.(t日目にドーナツを食べた時の体重の変化量の最小値)
+ (t+1i-1日目に断食していた時の体重の変化量)
+ (i日目に食べたドーナツによる体重の変化量) \left.\right)
となっています。

ここで、上記漸化式のminの中をよく見てみると、
\displaystyle
DP[t] + tA + \cfrac{t^2+t}{2}B -itB \\
= \left(-tB\right) i + \left(DP[t] + tA + \cfrac{t^2+t}{2}B\right)
となり、これはi1次式となっていることが分かります。

従って、「直線(1次式)の中での最小値」を求めるため、Convex-Hull Trickを用いることが出来ます。

Convex-Hull Trickに関しては、こちらの記事を参照してください。
satanic0258.hatenablog.com

最後、求めるものは「i日目にドーナツを食べ、そこから断食した時の最小値」なので、先ほど求めた配列DPを使って、
W + min_{0\leq i\leq N}\left(DP[i] -(N - i)A + \cfrac{(N - i)(N - i + 1)}{2}B\right)
として求めることが出来ます。

コード(C++)

#111250 No.409 ダイエット - yukicoder
※ヘッダ等省略

ll dp[300005];

template<typename T>
class ConvecHullTrick {
private:
	// 直線群(配列)
	std::vector<std::pair<T, T>> lines;
	// 最小値(最大値)を求めるxが単調であるか
	bool isMonotonicX;
	// 最小/最大を判断する関数
	std::function<bool(T l, T r)> comp;

public:
	// コンストラクタ ( クエリが単調であった場合はflag = trueとする )
	ConvecHullTrick(bool flagX = false, std::function<bool(T l, T r)> compFunc = [](T l, T r) {return l >= r; })
		:isMonotonicX(flagX), comp(compFunc)  {
		lines.emplace_back(0, 0);
	};

	// 直線l1, l2, l3のうちl2が不必要であるかどうか
	bool check(std::pair<T, T> l1, std::pair<T, T> l2, std::pair<T, T> l3) {
		if (l1 < l3) std::swap(l1, l3);
		return (l3.second - l2.second) * (l2.first - l1.first) >= (l2.second - l1.second) * (l3.first - l2.first);
	}

	// 直線y=ax+bを追加する
	void add(T a, T b) {
		std::pair<T, T> line(a, b);
		while (lines.size() >= 2 && check(*(lines.end() - 2), lines.back(), line))
			lines.pop_back();
		lines.emplace_back(line);
	}

	// i番目の直線f_i(x)に対するxの時の値を返す
	T f(int i, T x) {
		return lines[i].first * x + lines[i].second;
	}

	// i番目の直線f_i(x)に対するxの時の値を返す
	T f(std::pair<T, T> line, T x) {
		return line.first * x + line.second;
	}

	// 直線群の中でxの時に最小(最大)となる値を返す
	T get(T x) {
		// 最小値(最大値)クエリにおけるxが単調
		if (isMonotonicX) {
			static int head = 0;
			while (lines.size() - head >= 2 && comp(f(head, x), f(head + 1, x)))
				++head;
			return f(head, x);
		}
		else {
			int low = -1, high = lines.size() - 1;
			while (high - low > 1) {
				int mid = (high + low) / 2;
				(comp(f(mid, x), f(mid + 1, x)) ? low : high) = mid;
			}
			return f(high, x);
		}
	}
};

signed main() {
	INIT;
	VAR(ll, n, a, b, w);
	VEC(int, d, n);
	ConvecHullTrick<ll> cht(true);

	dp[0] = 0;
	FOR(i, 1, n + 1) {
		dp[i] = cht.get(i - 1) - (i - 1)*a + ((ll)(i - 1) * i) / 2 * b + d[i - 1];
		cht.add(-i*b, dp[i] + i*a + (ll)(i - 1) * i / 2 * b);
	}
	/*
	REP(i, n + 1) {
		OUT(dp[i] + w)SP;
	}BR;
	*/
	ll ans = INFLL;
	REP(i, n + 1) {
		ans = std::min(ans, dp[i] + (-(n - i)*a + (n - i)*(n - i + 1) / 2 * b));
	}
	OUT(ans + w);
	return 0;
}

コードの説明など

コード前半部分は、Convex-Hull Trickのクラスを定義しています。

後半部分では、通常の動的計画法の実装を行い、併せて直線の追加などを行っています。

備考

追加する直線の傾き、最小値を求めるクエリにおける{\tt i}が、共に単調になっているため、計算量はO(N)に抑えられます。

感想など

始め、この問題を解いたときは、
DP[i][j] = i 日目に断食継続日数がj日となっているときの体重の変化量のい最小値
と考えて、計算するとj1415ほどしか必要ないと気づき、それで通してしまいました(そのソースはコチラ)。

しかし、学びのため、ということで想定解でもなんとかACしておきました。


この問題を解くまでConvex-Hull Trickという方法を知らなかったため、いい勉強になりました。これを活かして類題も解けるようにしたいですね。